人権とメディアの最近のブログ記事

ブログを再開したついでに、記憶しておいたほうがよいニュースを引用しておきます。

日経新聞記者が不適切メール送信、民間団体に「ばか者」(読売新聞)

『 日本経済新聞編集局の記者が先月、戦争特集番組を巡ってNHKや下請け会社などに損害賠償を求めた民間団体・「戦争と女性への暴力」日本ネットワーク(バウネット)に対し、「ばか者」「あほか」などというメールを送りつけていたことがわかった。
 日経新聞は事実関係を認め、同社幹部が先月24日、バウネットに直接謝罪した』

 報道によれば、バウネットに送った当該メールアドレスの一部が「nikkei.co.jp」となっており、その内容はメール内容は「取材先の『期待』に報道が従うわけないだろ。ばか者」「あほか。あんたがたの常識のなさにはあきれはてる」(読売)「なんであんたがたの偏向したイデオロギーを公共の電波が垂れ流さなきゃいけないんだよ」(共同)というような内容だったそうです。

 見下したような書き方は、相手が女性中心の団体だからというのもあったのかもしれませんが、それにしても、戦時性暴力問題に取り組む勢力を攻撃する連中の体質を表す「見事な構図」です。

裁判ではバウネットは退けられましたが、BRC(放送人権委員会)は、この問題でNHKが放送倫理違反をしたと認定していたことをこの日経記者は知らなかったのでしょうか?

委員会決定-女性国際戦犯法廷・番組出演者の申立て
委員会決定-高裁判決報道の公平・公正問題

 裁判は違法かどうかを裁くものですが、違法でなければ何をやってもいいのではなく、そのために報道倫理があるわけです。日経記者の今回のメールはBRCの2つの見解、すなわち自律的な報道倫理遵守に対するあからさまな敵対であるともいえます。またこの記者の語調には、ネット上の掲示板やコメント欄によく見受けられる、匿名の反人権勢力による無責任投稿と共通のものを感じさせます。

日経は過去にも以下のような事件を起こしているので、政府が気に入らない人物を不正に攻撃するのはこの新聞社の体質かもしれません。

イラク人質事件:元人質3人の住所を日経新聞サイトが掲載

光市事件をネタにできなくなったマスコミが、懲りることなく扇動の矛先を変えてきている。

(1)<愛知女性殺害>死刑求める署名10万人 名地裁へ提出へ

 このニュースを見て、被害者遺族が本当に哀れに思った。なぜなら、「人権の基準を世論によって変えてよい」という政府やマスコミによる完全なミスリードを信じてしまったように思われるからだ。

【過去の本ブログのエントリー】
内閣府の死刑世論“操作”に加担するマスコミ

【国連人権委員会の日本に対する勧告内容】
規約第40条に基づき日本から提出された報告の検討-B規約人権委員会の最終見解-日本

『委員会は、人権の保障と人権の基準は世論調査によって決定されないことを強調する』

【注】この記事は以下のエントリ
http://www.icchome.net/news/2007/05/post_116.html
の続きです。かならず前回を読んだあとに今回をお読みください。

前回の「日刊ベリタ」と浦和電車区事件に関するにリンクを張った「JanJan」の記事に、実に奇妙なコメントがついていた。

その投稿者が引用している元情報が「国労」らしく、私は「反・国労」ではないため(というよりも、「JR東労組」も含めて、どの旧国鉄の労組にも特別な関心がない)、新たにエントリーを起こすのも気が引けるのだが、コメントにするには長すぎるので、やはり一つのエントリにする。

最近ほとんど更新していない。前のエントリーでも述べたような忙しさもあるのだが、書く気も失せるような出来事、それも、これまで友好的であるか、少なくとも対立はしないだろうと思われてきた人間や組織による裏切り、闇討ちの類が続いている影響も否定できない。

「裏切り」とは、具体的には、創刊以来購読を続けてきた「日刊ベリタ」による、ある事件に関する反人権的な報道を指す。

ここでいう事件は、JR東日本の労働組合「JR東労組」が舞台となった「浦和電車区事件」のことである。

 11日、「人権と報道を考えるシンポジウム」(主催・人権と報道・連絡会)が東京で開かれ、約150名が参加した。

 テーマは「問答無用の司法・メディア−和歌山・恵庭・仙台の3事件から−」で、和歌山毒カレー事件、仙台北陵クリニック事件(マスコミは「筋弛緩剤事件」と呼称)、恵庭OL殺人事件(恵庭冤罪事件)の3事件の弁護人・支援者がパネリストとして、「メディアへの裁判の影響」、「事件の実態」「刑事司法の現状と将来への見通し」という観点から、それぞれの裁判の実態を報告した。

 これらの事件は、捜査段階でメディアが大々的に犯人視報道を繰り広げたことや、有罪方向の状況証拠を「可能性がある」などの理由で安直に容認するなど、証拠の採用が恣意的であることなどが共通点として指摘されている。

 なお、3事件とも被告人が公判で一貫して起訴事実を否定して控訴・上告してきたが、恵庭冤罪事件では、最高裁は9月25日、上告を棄却する決定を出し、懲役16年が確定している。

 あらゆる犯罪事件をすべて報道するのというのは非現実的である。しかし、殺人などいわゆる凶悪事件に限って、最高裁で出された判決や決定をすべて報道するのは現実的に十分可能なはずだ。
 しかもそれはたんに現実的というばかりでなく、裁判員制度にむけての司法意識を高めるという意味では、報道されなければならないもののはずだ。
 ところが、最高裁に上告していた裁判の最高裁決定が、一部だが、報道されなかった殺人事件が存在する。それが「恵庭冤罪事件」(「恵庭OL殺人事件」)だ。

20日の西日本新聞によれば、 福岡県筑前町の三輪中学2年男子生徒が自殺した事件で、19日発売の「週刊新潮」が生徒の実名を掲載したことに対して、生徒の父親が「週刊新潮」に抗議した。

生徒の実名掲載 新潮社に父抗議 福岡・いじめ自殺 特にコメントない

 父親は会見で、「(週刊新潮の記者の)取材を受けた覚えはなく、内容は半分以上が間違い。家族への誹謗中傷も心配だ」と語ったという。

 また代理人弁護士は、週刊新潮に実名が掲載されることが判明した18日夜、「発行を中止し、既に配本したものは回収しなければ断固たる法的措置を取る」とした「警告書」を、ファクスで発行元の新潮社に送ったという。

 たんに実名報道であるというだけなく、父親によれば「内容は半分以上が間違い」というところがポイントだろう。煽れば煽るほど、マスコミの「いじめ体質」がますます顕在化するという構図。

【追記】

 「週刊新潮」を立ち読みしてきた。内容はあまりにも希薄で、正直買う気も起こらない。

 事件当事者は実名にしておいて、情報源をほとんど匿名にするというアンフェアさは、「週刊新潮」のいつものやり口だが、その匿名の情報源の中に「地元記者」というのがいくつかあった。自分たちは週刊誌とは違うという風に振る舞っているメディア企業所属の記者が、陰に隠れて週刊新潮にネタを提供したのだろうか。

 西日本新聞は18日、福岡県筑前町の三輪中学校2年の男子生徒が自殺した問題で、同中父母教師会が17日、新聞とテレビの報道各社に「学校への教育的配慮を踏まえたルールある取材と報道」を文書で要請した、と報道した。

「節度ある取材」 報道各社に要請 三輪中の父母教師会

 まるで懲りていないようだ。こんなのもある。

取材拒否カード 全校生徒に配布 福岡県筑前町三輪中(18日)

 配布したのは学校でなく、「父母教師会」だ。しかし見出しだけでは、あたかも学校が「取材拒否」しているようなイメージである。

 いじめは大人の社会にもあるし、マスコミ自身、いじめ体質を持っているではないか。たとえば、「イラク人質事件」における人質バッシング。外国の新聞に非難されなければ、言い訳さえしさなかっただろう。松本サリン事件ほか数々の報道被害。社内的にも、権力に批判的なジャーナリストを配置転換などで排除していく。集団的過熱取材も、他者に配慮しない図々しさという点では、いじめと共通項があるといえる。自分のことを棚に上げて、よくも学校や教師をつるし上げることができるものだ。

【追記】

 さらに、こんな記事も。

筑前・いじめ自殺から1週間 悩む生徒、地域 欠席続出、祭り中止 住民有志が公開討議へ

『生徒や保護者への過熱取材を懸念し、同中父母教師会は報道各社に取材自粛の要請を出したり、全校生徒に取材拒否カードを配布したりしたが、逆に「真実が覆い隠されるのでは」(住民)との懸念も広がり始めている』

 「住民」(誰?)のコメントを利用して自己正当化をはかるマスコミ。学校側の体質と大して変わらないのではないか?

 いまの報道を取り上げる前に、今年になって無罪判決のあった事件の過去の報道と、相も変わらぬマスコミの無反省ぶりについて述べたい。

 2002年7月に発生した愛知・豊川の幼児殺害事件で、名古屋地裁は今年(06年)1月、逮捕・起訴された被告男性に無罪判決を言い渡した。

 物証がなく男性の供述調書は信用できないことが無罪判決の理由となったが、逮捕時点のマスコミ報道は「男児の泣き声がうるさい」など、男性が捜査当局に「供述」したとされる内容が中心だった。もちろん、マスコミは無罪判決でも過去の報道の訂正もなく、ひとごとのように「自白偏重の危険性」について一通り述べておしまいである。

 バングラデシュ人会社社長イスラム・モハメド・ヒムさんがアルカイダ幹部と密接な関係があったかのように扱われ、不当逮捕・報道された事件は、その後、ヒムさんが日本テレビと共同通信を相手取り、名誉毀損の損害賠償請求民事裁判を起こしている。
 この裁判の経過を、最近、元公安調査庁職員の野田敬生さんが、自身のブログ「ESPIO!」で詳報している。マスコミと公安当局との関係を示すものとして注目される。

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